会社を設立するときに決めなければならない事項の一つに、会社の本店をどこにするかという問題があります。会社の本店所在地は絶定的記載事項として定款に書かなければならない事項で、一度決めてしまうと変更するのには法務局での変更手続き登録が必要となり手数料もかかります
ここでは、定款での本店所在地をどのようにして記述していけばいいのかについて考えていきたいと思います。

1.定款の本店所在地は市区町村等の最小行政区画までにしよう!

会社の本店所在地は、定款の絶対的記載事項となり、これがなければ登記を行うことはできません。また、所在地は日本国内であればどこであっても大丈夫ですし、自宅を本社とすることも問題はありません。また、本店所在地と実際に事業を行っている場所が同じである必要もありません。本店所在地を決めるため注意しなければならないことは次のような事項となります。

  • 定款に記載する本店所在地は市区町村などの最小行政区画までの記載で良く、番地や住居番号まで含む必要は無い
  • 本店所在地を変更する際には株主総会による決議が必要であり、法務局での定款変更手続きが必要になる

例えば、事業が拡大し、同じビルの違うフロアに引っ越した場合、市区町村などの最小行政区画までが定款に記述してあれば、定款変更をする必要はありませんが、もし、部屋番号のような住居表示まで記述してある場合には定款変更の手続きをしなければならないということになるわけです。
定款を変更するためには、株主総会での決議書も必要となりますし、手数料(管轄か変わらなければ3万円、管轄が変わるのであれば6万円)もかかりますので、よほどの事情が無い限りは、◯◯市までとしておいたほうがいいでしょう。
しかし、登記をする際に必要な登記申請書には、本店が現実的に所在する具体的な場所、つまり、地番や住居番号までを含む形で記述しなければなりませんので注意する必要があります。
また、賃貸マンションやアパートを本店所在地として登記しようとする場合は、あらかじめ大家さんへの確認や賃貸借契約書の内容を確認しておく方がいいでしょう。会社としての登記を認めていない物件もありますので、許可なく登記したことによるトラブルを避けるためにも契約内容について注意するようにしておくことが大切です。

2.まとめ

本店所在地は、日本国内であればどこでも大丈夫ですし、自宅でも大丈夫です。実際に定款に記述する本店所在地は、◯◯市のように最小行政区画までで構いませんが、登記申請書の登記事項である本店の所在場所については現実に所在している具体的な場所を示さなければなりません。しかし、事業を行おうとしている場所が会社として登記できるかどうかについては、賃貸借契約の内容にもよりますので、事前に確認した上で登記の手続きを進めていく方がいいでしょう。