会社設立にも注意点はたくさんあります。その中でも個人事業主にするか、法人にするかは事業内容によって大きく変わってきます。今回はそんな会社設立における注意点についてお話しします。

1.「個人事業主か?法人か?」から会社設立の注意点を考えてみる

起業を考える際、まず考えなければならないことの一つに、個人事業として事業を行っていくか、あるいは会社を設立して法人として事業を行っていくかを決めなければならないということがあります。起業しようとしている事業の内容や規模によりどのような形にするかを決定していくことになるわけですが、ここでは個人事業と会社設立の違いを見ながら、独立して起業する際の注意点について考えていきたいと思います。

2.税金面で法人化のメリットは3つ

独立して起業する際に、個人事業で行うのか、あるいは会社を設立して法人として事業を行っていくのかを決めることは、起業するにあたってはじめに直面する問題の一つです。いずれの形をとるにせよ、それぞれメリットとデメリットが存在するわけですが、どのような事業活動を行っていくのか、その内容と目的がどちらが良いかを選択するためにもっとも重要なことになります。

会社を設立し法人化した場合のメリットとしては以下のようなことが挙げられます。

(1)赤字を繰り越せる年数が長い

法人の場合、赤字となった場合の繰越欠損金の繰越控除は7年となり、個人事業の場合の3年と比べて長くなります。繰越欠損金とは、欠損金(つまり赤字のこと)を次年度に繰り越す処理のことで、発生した欠損金を次年度以降、繰越期限切れまでの期間に黒字が発生したときに相殺することができるというもので、税金の面で大きなメリットとなるものです。この繰越控除ができる期間が法人の場合と個人の場合では異なるということになります。なお、会社を設立してこの控除を受ける場合には会社設立後3ヶ月以内または、最初の事業年度終了の日のどちらか早い日の前日までに青色申告承認申請書を提出する必要があります。

(2)消費税の免除が受けられる

資本金が1000万円未満の法人であれば、消費税が最大2年間免除となります。資本金が1000万円未満の会社を設立すれば最大で消費税が2年間免除されることになりますが、条件によっては、納税が免除されないこともあるので注意が必要です。

(3)役員報酬を損金として計上することができる

個人事業主の場合、給料はありませんが、法人の場合は役員報酬として毎月受け取ることができます。しかし、その年の役員報酬はあらかじめ株主総会等で決めておく必要があり、途中で変更することはできません。また、役員報酬を損金として計上する場合は事前確定届出給与に関する届出を毎年税務署に出さなくてはなりません。

3.まとめ:将来のイメージと照らし合わせて慎重に決めよう

独立して起業するときに、法人にするか個人事業主にするかは、非常に大きな問題です。個人事業を選択する場合でも、会社を設立して法人として活動することを選択する場合でも、事業の内容や規模、目的などを十分に検討した上で、決定していくようにしましょう。将来の姿をイメージして、ぜひ後悔の無いような起業を目指すことが大切です。