将来会社を起業したいと考えている方に知っておいてもらいたいものに「定款」があります。名前は知っていても、その意義や閲覧方法、閲覧権限などを詳しく知っている方は少ないのではないかと思います。今回は定款のキホンをご紹介します。

定款をどうして作らなくてはいけないの?

まずは定款の存在意義についてご紹介します。なぜ、定款が重要なのかというと大きく2つの理由があります。

(1) 会社を設立するときに必要だから

会社を設立するときに定款が必要になります。定款がないと会社が設立できません。さらに作成した定款を公証人役場などで「認証」してもらう作業が必要です。それほど重要なものとなっています。

(2) 組織の活動、業務執行のキホン規則

定款には目的や本店所在地など会社に重要なことが記載されています。さらに「株式の発行」、「株式譲渡の制限」などのルールを定款に定めていれば、そのルールに従わなければなりません。そのことから、「会社の憲法」と呼ばれたりもします。

定款の閲覧方法

定款の重要性や意義が分かったところで、定款の中身を確認したくなったのではないかと思います。続いては、定款の閲覧方法についてご紹介します。
会社にお勤めの場合は、理由をきちんと説明すれば、誰でも見ることができます。「会社の憲法」ですから当然です。
会社にない場合は、会社の設立登記を行った法務局に行けば、閲覧をすることができます。
ただしこの場合は、利害関係者などの特別な人に限られ、審査を受けた後でないと閲覧ができません。会社の憲法を簡単に色々な人に見せたら、困りますよね。その点を法務局はきっちりとされています。

定款を紛失してしまったら?

最後に、万が一紛失した場合どうしたら良いかその対処法についてご紹介します。

定款が紛失してしまったら公証人役場に行って、再発行してもらうことができます。公会社を設立した際に公証人役場で「認証」をしてもらっております。認証してもらった役場には定款の原本がありますので、再発行が可能です。ただし、保存期間が20年なので、20年経ってしまったら、定款の原本を入手することはできません。

もしこの期間を過ぎてしまったら、新たに定款を作成する必要があります。手順としては「株主総会の特別決議」を開催し、定款変更の決議を行います。それから、「登記事項証明書」に定款の参考になる情報が載っていますので、それを参考にし、新たに定款を作成します。

なにより、定款は非常に大切なものですので、紛失しないように最善の注意を払いましょう。

まとめ

定款の意義から閲覧方法、そして万が一のための紛失した場合の対処方法についてご紹介しました。
定款は本当に重要な書類ですが意外ときちんと説明を受けていないものです。
今回の御紹介で皆様のお役に少しでも立てれば幸いです。ありがとうございました。