企業を評価する指標の1つに「自己資本比率」というものがあります。

自己資本比率とは企業の財務の安定性を示す指標のことです。

では、自己資本比率が何%程度であれば良いという目安はあるのでしょうか?

自己資本比率とは?

企業の自己資本比率は下記の式で導かれます。

自己資本比率(%) = 純資産 ÷ 総資本 × 100

式から分かるように、自己資本比率が低いということは返済の必要のある負債に依存して経営をしているということになります。

極端な例で言えば、自己資本比率が0%ということは会社の資産の全てが他社からの借り物で、返済してしまったら手元には何も残らないということです。

自己資本比率は60〜70%以上が理想

では、何%の自己資本比率があれば良いのでしょう?

40%以上であれば比較的健全な財務体質であり、60~70%以上であれば理想的であると一般的には言われています。

ただし、上記の数字は上場企業の平均等から言われているものです。

業界によって平均的な数値には開きがあり、建設業・製造業・卸売業等に比べると小売業は自己資本比率が低い傾向があります。

非上場企業は上場企業より自己資本比率が低い傾向にある

また、上場企業等であれば金融機関からの借入以外に、株式や社債の発行による資金調達の選択肢がありますが、中小企業の場合は金融機関からの借入に頼らざるを得ないケースが多いです。

そのため、上場企業の平均に比較すると中小企業の自己資本比率は低くなる傾向にあります。

自己資本比率を高めるには

企業の財務の安定性を示す指標である自己資本比率を高めれば対外的な信用を得られることができます。

そのための方法として、以下のような方法が考えられます。

1,利益を上げて、利益を内部留保する

これが本質的な自己資本比率の高め方であり、企業の価値を評価する指標として自己資本比率を参考にする所以です。

2,増資をする

上場企業や個人資産に余裕のあるオーナー経営者の居る中小企業で取れる選択肢だと思います。

ただし、会社の経営についての発言権を持つ「株主」という存在を増やすことになります。

まとめ

今回は、自己資本比率の目安に関してお話ししました。

自己資本比率の理想は60〜70%です。

この数字まで高めていくためには、地道に成果を上げていく以外方法はないと思われます。

小手先のテクニックで見栄えを調整できないからこそ、企業経営の健全性の指標になるのです。

その一方、中小企業の経営者が「自己資本比率100%」や「無借金経営」を目指す必要もありません

中小企業のオーナー創業者の蓄えと会社の利益の一部だけを元手にするだけでは事業の拡大にも限界があります。

適切な範囲での融資を受けて事業規模にレバレッジを利かせる一方で、身の丈に合った負債の範囲を把握するということが、会社の資本政策において重要なポイントだと思われます。