会社を設立した直後は、売上もまだまだあがってきませんが、事務所や工場の賃貸料や社員への給与、仕入れ代などの費用が発生します。そんな状況ですから、創業時における資金の確保は大きな問題になります。また、これから起業しようと考えている場合でも、開業資金をどうやって集めるかは考えておかなければならないことです。ここでは、特に会社設立前後での資金調達方法について考えていきたいと思います。

1.会社設立前後における資金調達は主に6つ

会社設立の前後では、事業を進めていくための様々な費用が発生してきます。家賃や設備、給与など売上もこれからという状況ですが、お金だけが出ていくという形になってしまいます。自己資金でまかなえる範囲で納まればいいのですが、どうしても足りない場合には様々な方法で資金調達をしていく必要があります。創業時の資金調達方法としては次のようなものが挙げられます。

(1)創業者向け融資の活用

資金調達の方法としては最も一般的な方法です。実績のない創業した ての会社に対しても低利で貸付をしてくれる創業者向けの融資制度を活用することになります。

(2)新創業融資制度

国が100%出資している政府系金融機関の日本政策金融公庫が設定 している創業前、あるいは創業間もない起業者向けの融資制度で、条件を満たせば無担保・無保証で融資を受けることができます。

(3)信用保証協会による制度融資

全国各地にある信用保証協会が地域ごとに設けている創業者向けの融資制度で、公的機関である信用保証協会が保証人となり、民間の金融機関を通じて実績のない創業者に対して融資を行うというものです。

(4)ベンチャーキャピタル

ベンチャーキャピタルは企業に出資することで株式の公開を支援し、株式公開がされた時に株式を売却することで利益を得ることを目的としている金融機関です。投資によるリターンを第一の目的としているので、条件も厳しいものとなってきますが、将来的に上場を目指しているような会社であれば検討してみてもいいでしょう。

(5)個人投資家(エンジェル)

マッチングサイトなどを通じて個人投資家(エンジェル)と出会うことで融資を受けるものです。自分の会社のことを理解してくれる個人投資家にどうやって出会うかが大きな問題となります。

(6)補助金・助成金

助成金・補助金は返済する必要のないお金です。創業者を対象にした助成金・補助金も多くあるので非常に大きなメリットがあると言えます。しかし、お金を手にするまでに時間と手間がかかりますし、申請すれば確実に入ってくるものというわけでもないので、短期的な資金調達方法ではありません。

2.まとめ

創業前後では、入ってくるお金よりも出ていくお金が多く、資金をどうやって調達するかが経営者にとっては大きな問題となります。資金の調達方法も様々な種類がありますが、事業の内容や規模に応じて選択していくことが重要です。