将来会社を設立したい、起業したいと考えている方はたくさんいらっしゃると思います。その際に必ず知っておいて頂きたいのが、「経営理念」です。一見すると実務と関係ないように思われますが、会社をひとつにする上で非常に大切ですので、今回ご紹介いたします。

1 そもそも経営理念とは?

それでは最初に経営理念の意味をご紹介します。経営理念は会社において絶対に変わらないものです。会社を設立して成し遂げたい「目的」のようなものです。

実際にビジネスを始めて行くと、「今年は売上高○○円を目標とする」とか「前年比○%アップ」ということを考えると思います。しかしこれらは全て、「目的」ではなく「目標」です。「目標」は目的を達成するための道しるべのようなもので、肝心なのは目的の達成の方になります。

目標ばかり追ってしますと、目的を見失い、「そもそも自分は何のために会社を設立したのか?」と言った虚無感に陥ってしまうこともあります。このような虚無感をなくし会社をひとつにするために、経営理念は絶対に作っておかなくてはいけません。今回は、2つの素晴らしい企業理念を紹介していきます。

2 有名企業の経営理念①:リッツカールトン

まずご紹介するのが、リッツカールトンの企業理念です。リッツカールトンではこれを「クレド」と呼んでいます。

「リッツ・カールトンはお客様への心のこもったおもてなしと快適さを提供することをもっとも大切な使命とこころえています。
私たちは、お客様に心あたたまる、くつろいだそして洗練された雰囲気を常にお楽しみいただくために最高のパーソナル・サービスと施設を提供することをお約束します。

リッツ・カールトンでお客様が経験されるもの、それは感覚を満たすここちよさ、満ち足りた幸福感そしてお客様が言葉にされない願望やニーズをも先読みしておこたえするサービスの心です。」

以上がクレドです。リッツカールトンの従業員はこのクレドが書いた「クレドカード」を携帯しています。これにより、社員に企業の理念を浸透させています。ただあるだけの理念ではなく活用しています。

3 有名企業の経営理念②:未来工業株式会社

続いてご紹介する会社は未来工業株式会社の理念です。日本一ホワイトな会社、日本一社員が幸せな会社と言われています。創業以来赤字なし、経営理念は「常に考える」です。

なんとこの理念から下される会社の方針として、「上司へのほう・れん・そう」(報告、連絡、相談)禁止、そして、上司が部下へ命令するとその上司は降格するというものがあります。普通の会社で当然とされていることの逆をことを行っているのです。

ホウレンソウが禁止であれば、常に考えるしかありませんし、命令禁止であれば、指示待ち人間はいなくなります。さらに「残業は禁止」、「労働時間は7時間15分」というのもあります。これは就業時間内に終わらせるように仕事を考えさせるようにするための方針だそうです。つまりこれも「常に考える」の理念から派生したものだということがわかります。

このように理念は方針を決め、会社の行動にまで影響を及ぼす重要なものだということが分かります。

4 まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は理念の意味と、実際の有名企業の理念についてご紹介しました。一見理念はただの飾りのように思われるかもしれませんし、また実際にそのような企業もあります。しかし、今回ご紹介したように理念は目的であり、活用次第では会社の業績に影響します。皆様が理念について少しでも考えて頂ければ幸いです。ありがとうございました。